院長の佐藤です。先日の記事にも挙げさせて頂きましたが、当院はISFM（国際猫医学会）の定める、猫にやさしい動物病院であるキャットフレンドリークリニックのシルバーレベルの認定を受けました。これは福岡県内では初めての病院になります。
まだ開院して１年が経たない小さな病院ですが、開院準備の段階から、私には猫にもやさしい病院を作ろうという夢がありました。というのも、病院が苦手な猫さんがあまりに多いと思っていたことと、もっと上手に取り扱ってあげればちゃんと医療を受けてもらえると知っていたからです。
ただ私たちの病院は本当に小さな病院で、猫専用の待合室を作ったりすることはできませんでした。猫専門病院のような広い入院室をご用意することもできませんでした。残念ながら、ハード面でできることには限界があったのです。
その代わり、それでもできることをやろうと、スタッフも一緒になって一所懸命に考えました。そして色々なアイディアが生まれました。その中にはまったく実現できなかったものもありましたが、ちょっとした一工夫で猫がリラックスした姿を見せてくれるようなものもありました。
ただ、本当に大切なことは、このような活動を通じて、スタッフが猫の気持ちになって悩み考えることができたことだと思っています。
猫の患者さんが病院のドアを通ってから、待合室で待つ間どんな気持ちでいるか、診察台の上で猫はどんなふうに診察してもらいたいだろうか、入院するならどんな環境だとストレスが少ないだろうかと、スタッフひとりひとりが、ネコの目線で考えられるようになりました。
設備面での充実ももちろん望まれるのですが、肝心なのはスタッフの心がけひとつで変えられることがたくさんあるのだと思うのです。
私たちは今後もこれに甘んじることなく、犬にも猫にも、もちろん人間にも、優しい動物病院にするために努力を続けて参ります。
現在、福岡県内では当院のみではありますが、今後この国際基準をたくさんの病院で参考にしてもらい、猫たちがストレス少なく、きちんと良い治療を受けられるようになれると良いですね。
