健康診断のヒミツ(血液検査)

こんにちは! 獣医師の佐藤です。
今年も秋の健康診断が始まっています。

健康診断は、「健康であることを確認する」のが大きな目的です。
元気に見える子が、調べてみると水面下でじわりじわりと健康を害してきていたりする、そういう病気が実際に存在します。

外から見て分からないものは、こちらから積極的に調べてあげないといけませんね。血液検査は、そういった水面下での内臓の異常を見つけるために大変有益なツールです。

内蔵はもちろん、外から見ることができません。
たとえば肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれたりもします。
ちょっと肝臓の調子が悪いくらいだと、全く症状がありません。
外から見る限りは普通に元気にしていることがほとんどです。

なので、症状が出てきたときには、びっくりするくらい病気が進行していて、
そこから治療するのはものすごく大変になってきます。
定期的な血球検査をすることで、肝臓の数値がジワジワ上がってきている、
などの変化を未然に知ることができれば、それだけ早く治療を開始することができます。

血液の検査では肝臓以外にも腎臓や、脂質代謝、貧血、炎症などを
幅広く知ることができます。

私たち人間でも自分の内臓器の異常を自覚することは困難なのに、
言葉を話すことのできない犬や猫たちの病気を検査なしに知ることは不可能です。

そして血液検査の良いところは結果が数字で出るところですね。
体重と一緒で、非常に客観的な数値を記録として残すことができます。

ある項目が、たとえ正常値の範囲内であっても、
過去の記録と見比べることで変化を知ることができます。
点の記録では見えてこないことが、点の集合、線の情報になることで価値が出てくるのです。
これは元気な時に定期的に検査を受けて頂いた子だけの貴重な資産となるでしょう。

7歳未満の子なら年に1回は、
7歳以上の子は年に2回以上、
血液検査をする機会を作ってあげることをお勧めしております。

みなさんのワンちゃん猫ちゃんの最後の血液検査はいつでしょうか?
もし期間が空いているようであれば、この機会に一度検査をされてみてくださいね。

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