わんにゃんシンポジウム(地域猫について)に行ってきました

みなとおおほほり動物病院の笠原です。皆さん、「地域猫活動」についてご存知ですか? なんとなく聞いたことはあるけど、具体的にはよく知らない、という方も多いのではないのでしょうか。先日、天神で「地域住民から愛される地域猫活動にするために」というシンポジウムがありました。今回は福岡市の地域猫活動と、シンポジウムで学んだことをご紹介したいと思います。

「地域猫」とは?「野良猫」との違い

まず、地域猫活動とは「周辺住民の理解を得た上で、ボランティアグループなどが一定のルールの中で猫を管理することで、野良猫に関する問題解決を図っていく活動」(福岡市のホームページより)です。したがって地域猫とは、その「一定のルールの中で適正に管理されている猫」ということになります。一方「野良猫」は「飼い主のいない(外で暮らす)猫」。管理されているかいないか、の差があります。決して「野良」をポジティブに言い換えただけではありません。ちなみにイタリアでは野良猫のことを「自由猫」と言うそうです。なんとなくイタリアらしいような感じがしますね。

「地域猫活動」の実際と問題点

地域猫活動とは具体的には以下の活動内容です。

  • 置き餌被害対策
    場所や時間を決めてえさやりを行い、片付けも行う
  • 糞尿被害対策
    トイレを設置し、清掃する。トイレ以外の場所も見回り、地域をきれいにする
  • 不妊手術の実施

など、これらをボランティアの方がしています。福岡市でも地域を指定して活動を支援しており、地域住民に対する説明会や不妊手術の無償実施を行っているとのことでした。市が認可していない場合、一般の動物病院での不妊手術を、自費で行っている個人の方もいらっしゃいます。

地域猫活動の問題点として人手不足と地域住民とのトラブルがあります。シンポジウムでは、地域猫活動について積極的にアピールすることや、地域住民との話し合いを大切にしていくとのお話がありました。

今回シンポジウムに参加してみて、多くの方が猫のことや地域のことを真剣に考えていることが改めてわかりました。私もまずは、地域猫活動の存在や趣旨を身の回りの人に伝えていくことから始めてみようと思います。

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