デンタルケア(実践編)

こんにちは!看護師の三角です。

今回は前回に引き続きデンタルケアについてのお話です。

前回の記事はこちらからどうぞ

デンタルケア(歯磨き)は本当に難しいですが、習慣化することで多くのメリットがありますので、一緒に頑張っていきましょう!

まず、歯磨きを始める前に今のワンちゃん(猫ちゃんも同じです)の歯磨きに対する状態を確認します。状態によって歯磨きが出来るようになるまでの時間やステップが変わってきます。

①口(マズル)を触らせてくれない
②歯磨きを持ってきたら逃げる
③歯ブラシ以外のグッズでなら磨ける

その子によって様々な反応になると思います。

先に伝えておくと、①〜③のどの状態であっても

・押さえつけて歯磨きする
・嫌がるので叱る

・日頃のトレーニングで口(マズル)を持って指導している

この行動は絶対に止めるようにお願いします🙏
上記の行動は歯磨きが嫌いになる要因になってしまいます!!

①口(マズル)を触られるのが苦手

歯磨きをする上で、口が触れるようになることはとても重要です。
触らせてくれないようであれば、少しずつ慣れていく方法がベストです。

触ったら嫌がるのであれば、まずは触らず手を近づけるだけでオヤツをあげます。
数回繰り返し、少しづつ距離を短くしていきます。
ポイントはワンちゃんが距離の変化に気付かないくらい、ほんの少しずつ縮めることです。
(根気と時間が必要ですが頑張ってください!)

最終的に口にチョンと触れてオヤツ、チョンチョンと触れてオヤツ、、、と
触れるようになったら大成功です✨
そのまま唇をめくってみる、歯に触れてみるとステップアップしていきます。最終目標は奥歯まで触れるようになることです。
口が触れるようになると、歯磨きはもちろん現在の歯の状態を知ることも出来ます。(奥歯って意外と汚れています…!)

一朝一夕で出来るようになるのは難しいので、ワンちゃんの機嫌も見ながら
時間をかけて行ってくださいね。

②歯ブラシを持ってきたら逃げる

かなり多くの子がこの状態だと思います。
これは歯ブラシに対して嫌な思い出がある場合が多いです。

また、歯周病が思ったより進んでいて、歯を触ると痛みが伴う場合も逃げていく可能性があります。
その場合は治療が優先のこともありますのでご相談ください。

歯ブラシに対して嫌なイメージがあるのであれば、
歯ブラシ=嫌なことの前触れ、嫌な思い出 から
歯ブラシ=良いことの前触れ、いい(美味しい)思い出 に
変えてみてはいかがでしょうか。

例えば、遠い所から歯ブラシをちらっと見せてすぐオヤツ、歯ブラシを見せる時間を少しづつ長くしてオヤツ、、、、とやり方は①と同じような感じです。
歯ブラシが現れるとオヤツがもらえると覚えてもらう作戦です。

見せても逃げなくなってきたら、歯ブラシを持っている手でオヤツをあげてみます。

歯ブラシに抵抗がなくなってきたら、歯ブラシを口に少し触れてオヤツ、触れる時間を長くしてオヤツ、、、、と慣れていくと歯を1本、2本と磨けるようになるかもしれません。

どうしても歯ブラシ恐怖症の場合は、飼い主さんの指で歯磨きする方法もあります。指に歯磨きペーストをつけて歯茎を指でマッサージ、指に水で濡らしたガーゼを巻きつけて軽くこするなど行ってみてください。

③歯ブラシ以外のグッズでなら磨ける

すでに歯磨きができているのであればもう言うことなしです!素晴らしいです✨
ただ、犬の歯周病は歯と歯茎の間の歯周ポケットに歯垢が溜まることが原因です。

腫れた歯茎のイラスト(歯石あり)

歯周病を一番予防できるのは歯ブラシになりますので、すでに他のグッズで歯磨きができている場合は歯ブラシの使用も検討してみてはいかがでしょうか。

切り替え方法は①、②同様少しずつ慣れてもらう作戦で願いします🦷

※歯ブラシは強い力でゴシゴシこする必要はありません。
自分の手の甲にブラシを当ててみて、痛くないくらいの優しいタッチで磨いてください
🦷

※歯磨きは1日2日で出来るものではありませんので、2ヶ月〜3ヶ月と長い目で練習していきましょう

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