第1回比較麻酔カンファレンスに行ってきました

獣医師の佐藤です。先日 、2月4日に東京大学で行われました第1回比較麻酔カンファレンスに出席して参りました。この会は当院の麻酔科顧問でもあります長濱正太郎先生(一般社団法人日本動物麻酔科医協会代表理事、小動物麻酔鎮静サポート代表)が主催されました。また様々なディスカッションの場が用意され、獣医麻酔界の先端で活躍される先生方と意見を交換することでき、とても刺激的な時間でした。

獣医麻酔の世界がすごいスピードで進歩しているのは分かっていたつもりでしたが、正直、まさかここまで変わってきているのかと驚かされたところです。

動物の麻酔については、これまで大きな転換があったようです。

昔: 動かない程度の麻酔
大きな手術になるとリスクは高くなり、術後の回復も遅い、痛みのために免疫力も低下してしまう

少し前: 適切な鎮痛剤の使用
痛み刺激の悪影響が激減し、麻酔薬の量も減る。術後もスヤスヤ寝てくれる

今: 神経ブロックなど、適切な局所麻酔剤の使用
鎮痛剤の量も減り、術後の回復もとても早い

大学病院などの二次診療施設の麻酔が、この10年くらいで大きく変わりました。私たちのような町の動物病院にとっても、まさに新たなパラダイムシフトの波が押し寄せようとしているように感じました。

当院では開院時から麻酔に力を入れており、より良い麻酔法がせっかくあるのなら、それを患者様たちに提供しようと日々努力をしております。神経ブロックなど、技術の習得にトレーニングを要するものもあり、まだまだ課題も多いですが、新しいことに積極的にチャレンジしていきたいと考えております。

より痛みの少ない良質な麻酔は、動物にひとつ上の健康をお届けできると思っています。また、大切な家族の一員である動物をお任せされるご家族にも安心を提供できると信じています。このカンファレンスで学んできたことをスタッフと共有し、チーム全員で取り組んで参ります。

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