獣医師の佐藤です。東日本大震災から5年が経過しました。今なお多くの方が思うように帰宅することができず、もともとの生活を取り戻せずにいらっしゃると聞いています。一日も早く復興が進み、もとの生活が送れるように、当院スタッフ一同、心よりお祈り申し上げます。
私は震災のあった日、福岡から東京へやって来たばかり、ちょうどお引越しの荷を解いている最中でした。まだ仕事は始まっていなかったので、帰宅難民になることはありませんでしたが、スーパーやコンビニから物が消えたりと、非常事態を身をもって思い知らされました。母が福岡からカセットコンロや乾電池など、救援物資を送ってくれて色々と助けてくれました。人間、困っている時には人からの優しさが心に染み入るものです。
先日3月6日に警固神社で東北6県によるチャリティー芋煮会が行われたのですが、私は秋田県のコーナーで参加いたしました(実は私佐藤の本籍地は秋田県でした)。本場秋田から直送された具材を、福岡秋田県人会のメンバーが作るきりたんぽ鍋は正真正銘の本物の味です!
比内地鶏の滋味深いスープに、大量のマイタケから出るなんとも言えない芳醇な香りが加わり、そのエキスが染み込んだきりたんぽが口の中で噛むほどにほぐれるのです。セリと一緒に食べるから口の中がギトギトするようなこともなく、食べるとまた次が食べたくなる不思議。アクセントでいぶりがっこ(たくあんの燻製)をかじると、もう最高です。
1杯300円だったのですが、文字通り、飛ぶように売れていきました。(売り切れてしまって食べられなかった方、ゴメンナサイ)
これはもちろんチャリティーですので、収益金は被災地の復興に充てられます。こうした地道な活動が、震災の記憶を風化させずに、前回のような未曾有な天災への警戒へと繋がるものと信じています。