当院では院内で多くの検査が可能です
近年の獣医療の劇的な進歩により、これまで分からなかった多くの病気を診断することができるようになりました。同時に検査機器も進歩し、その役割は年々多様になっています。当院では多くの検査機器をご用意しており、院内にて即座に検査結果を得ることが可能となっています。たとえば動物の血液や尿、糞便などの検体から情報を得る検査から、X線写真や超音波(エコー)のような画像検査、心電図や眼を詳しく観察するための機器など、その子の状況により必要な検査を組み合わせることで、最短でのゴールを目指します。
当院で実施可能な検査の一例
血液検査
CBC(血球計算)、血液化学検査、電解質、内分泌検査(甲状腺ホルモン)、CRP
尿検査
ディップスティック、尿蛋白/クレアチニン、比重、沈渣鏡検
糞便検査
直接法、浮遊法
X線写真検査
単純X線写真検査、造影X線写真検査
超音波検査
腹部超音波検査、心臓超音波検査
心電図検査
眼科検査
検眼(スリットランプ)、眼底検査、眼圧測定、シルマー涙液試験、生体染色(フルオレセイン)
皮膚科検査
被毛検査、皮膚スメア検査、皮膚掻爬試験
※院内で実施できない検査は外注検査センターを利用しています
臨床検査の必要性
具合が悪いときに
動物はどうしても人間と違い、言葉を話すことができません。それゆえに適切な検査を実施することで、何が原因で具合が悪いのか? その子の体の中で何が起こっているのか? を知るための情報を集める必要があります。検査に基づいた治療方針を立て、きちんと病気に適した治療法を選択することで、無駄な治療を省くことにもつながります。
元気なときこそ健康診断
人間も健康な人であっても、年に1度の健康診断が勧められています。そうすることで水面下でじわじわ進行しているような病気の徴候をいち早く掴むことができるからです。早期診断と早期治療が有効なのはもちろん、動物もいっしょです。動物の1年は人間の4年以上に相当します。病気が進行して具合が悪くなってから治療を開始するよりも、はるかに治療もラクになりますし、経済的な負担も少なくなります。もちろん、一番大切なことは動物本人が病気で苦しまないようにしてあげることです。
麻酔前の評価に
動物の麻酔法は近年劇的な進歩を遂げており、麻酔の安全性もそれに合わせて高まっています。安全な麻酔を成功させるために不可欠なのが、麻酔前の検査です。元気そうに見えていても、内臓の機能や胸の中の様子など外から見ても分からない部分がたくさんあるため、どうしても臨床検査が必要になります。「麻酔をかけてはいけない子に麻酔をかけない」という当たり前のことをするために、当たり前のように麻酔前には検査をすべきです。またその子の体の状態に応じて、麻酔薬のコンビネーションを変更するなど、患者に合わせてより良い麻酔をかける上でも臨床検査は不可欠なのです。