狂犬病予防接種はお済みですか?

当院で注射が可能です

病院の診察時間にいらっしゃって下さい。診察の結果、予防接種に問題ないと判断しましたら注射をします。当院は福岡市獣医師会の会員病院ですので、福岡市への申請手続き、鑑札や注射済票の交付などを、病院の窓口で行うことができますので便利です。(福岡市外から転居されてきた場合など、病院で手続きのできないこともございますのでご注意ください)

注射を打つ時期

法律上、生後91日齢以上の犬は全員、1年に1回注射を打つこととなっております。
ただ、以下の場合は延期や免除の対象となります。

  • 他のワクチンを接種してから1か月以内
  • メス犬で、発情している
  • 体調が悪い

これらの場合は狂犬病の予防接種を受けることができませんので、また時期を改めて注射をしましょう。
体調面で気になることがある場合は、当院でしっかり診察を行ってから接種できるか判断いたしますのでご安心ください。

費用

診察料と狂犬病予防注射2650円(税込 2862円)と注射済票550円(非課税)が必要です。
初回のみ、福岡市への登録料3000円(非課税)が追加で必要になります。

持ってくるもの

・狂犬病のハガキ

 これまでに狂犬病の予防注射を受けたことがある場合、登録した住所に毎年4月にハガキが届きます。問診欄をご記入のうえ、お持ちください。

・お金

 上記ご費用をご準備下さい。

初めて狂犬病の予防接種を受ける場合や、ハガキを忘れた・失くしたといった場合は病院にて記入していただきますので、ハガキがなくても接種は可能です。

狂犬病予防接種をする目的

狂犬病の予防接種・福岡市への登録を行うことにはどのような意味があるのでしょう。まず、犬の登録は人間でいう戸籍や住民票と同じようなものです。もし迷子になった場合でも、鑑札や注射済票が着いていれば飼い主さんのもとへ戻ることができます。

もうひとつは狂犬病という伝染病を蔓延させないためです。

実際に狂犬病は起こっているのか

日本ではかれこれ60年近く発生がありません(1957年が最後の報告とされます)。なので、ペットの目の前に差し迫った病気を予防する、という意味合いは低いのかもしれません。

ただ世界中で見てみると、ほとんどの国で狂犬病は発生しているのです。人口の多い順に、中国、インド、アメリカと、人類はまだまだ狂犬病の脅威に晒されてるのが実情です。日本のような島国は特別に恵まれています。島国では隣国から陸路で犬がやって来る、というようなことがなく、特別に清浄化しやすい環境です。大陸の国では、自国でどれだけがんばっても隣国からウイルスを持った動物がやってきてしまうとなかなか清浄化することが難しいようです。現在、農林水産大臣の指定する狂犬病の清浄国・地域はアイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムの、6地域(いずれも島)に限定されています。

日本でもかつて長崎の貿易船を通じて狂犬病が上陸しました。その後、野犬からの咬傷により狂犬病で命を落とすようなことが実際にあったのです。しかしながら1950年に狂犬病予防法が制定され、当時の犬を飼育されていたご家族の協力と獣医師たちの努力で、日本は狂犬病の清浄化に成功したのです。

狂犬病はもう過去の病気だからワクチン接種の必要はないのでしょうか。最近の事件として、日本と同様に過去50年以上狂犬病の発生のない清浄地域とされていた台湾で、2013年に狂犬病の発生が確認されています。

もし日本で狂犬病が発生した場合、社会は大パニックとなることが予想されます。犬に咬まれたら死んでしまうかもしれないので、安心して外出することができなくなります。また狂犬病ワクチンが一気に枯渇してしまい、慌てて接種しようにも、全国どこにもワクチンが品切れで注射ができなくなるでしょう。

集団免疫率という考え方があります。ある伝染病が爆発的流行するのを阻止するためには、その集団の70%が予防を受けておく必要があるというものです。私たちの社会は、狂犬病予防法により定められた飼い主の義務として、年に1回の狂犬病予防接種を遵守して、集団免疫率70%以上を目指して努力していかなくてはならないのです。これは犬を飼っていない人も含めた日本国民の公衆衛生のために必要なことです。

海の向こうでは当たり前のように存在している狂犬病という脅威から日本を守り、人間と動物が仲良く暮らせる社会を当たり前のものにしていくために、狂犬病予防接種をする意味をご理解ください。