こんにちは。みなとおおほり動物病院の浅田です。
だいぶ涼しくなりましたね!美味しいものがあふれる食欲の秋がやってきました🍁
食欲といえば…
動物病院に勤めているとこんな電話をよく受けます。
「うちの子が◯◯を食べてしまったんですがどうしたらいいですか?」
そう ” 誤食 ” に関するお問い合わせです。
人が美味しそうに食べているものは、動物たちにとっても魅力的に見えます。
食欲や好奇心が旺盛な子は何でも口に入れてしまいます。
また、ときには『え!なんでそんなものまで!?』と思うようなものまで食べてしまう子がいます。
たとえば、靴下をまるごと食べたり、2メートルもある紐をそのまま飲んだり、飼い主さんの手からポロッと落ちた薬をすかさず…!などなど。
もしおうちの子が誤食してしまったら――
今回は誤食について、をお話しさせていただきます。
誤食してしまったらどうなるの?
食べてしまった物の種類や大きさ、形、素材、量によってトラブルの内容や程度は異なりますが、嘔吐や下痢、食欲不振などの症状が見られることが多いです。
腸などに詰まって閉塞してしまうと激しい嘔吐や腹痛があり、ぐったり…。
中には中毒を引き起こすものもあり、処置が遅れると命を落としてしまうこともあります。
誤食は時間経過とともにじわじわ悪化していき、取り返しのつかない結果になることもあります。
元気そうに見えても油断はできません。
食べた現場を目撃した or 食べた疑いがあるときの正しい対処法
すぐに動物病院で診察を受けましょう。
もし来院を迷うような場合はお気軽に動物病院へご相談ください。
動物病院で伝えるべき3つのポイントを押さえておきましょう💡
①いつ食べたか
②何を食べたか
③どのくらいの量を食べたか

食べたものと同じものや、パッケージ、食べた残りなどがあればご持参ください。
名前や成分がわかるだけでも重要なヒントになります。
病院ではどんなことをするの?

レントゲン検査(x線検査)
金属製のものなどはレントゲンにくっきりうつります。
誤食しているのか確認のために撮影します。

エコー検査(超音波検査)
レントゲンではうつらない異物の確認や、閉塞がないかの確認、
また、消化管の動きをリアルタイムで見ることができます。

血液検査
血球や臓器が食べ物の影響を受けていないか確認します。
中毒性のあるものは血液検査をすることが多いです。

催吐処置
吐かせる処置です。
血管に留置針を入れ、そこから嘔吐を促す薬を注射します。
一度の注射で吐く子もいますが、何度かチャレンジしても吐けない子もいます。

内視鏡検査
麻酔をかけ他状態で口から内視鏡を入れ、胃にとどまっている異物を取り除くことができます。
※当院には内視鏡はありませんので、内視鏡のある動物病院を紹介しております。

開腹手術
腸などで詰まってしまった異物は手術で取り除きます。
全身麻酔による大きな手術です。術後もしばらくは入院治療が続きます。
誤食したときに絶対にしてはいけないこと
自己判断で様子を見る
誤食は時間との勝負です。食べてしまった場合は、いかなるものでもまずは病院へご相談ください。
無理に吐かせたり、取り出そうとする
消化管を傷つけてしまったり、異物により窒息してしまったり、吐物が気管に入って肺炎になってしまったり、大変な自体を引き起こす可能性があります。
インターネットの情報を信じすぎない
インターネットで食べたものと動物種を検索すると、たくさんの記事が出てきます。
中には『〇〇は食べても少しなら問題ありません』などと書かれているものもありますね。
ですが、インターネットでは診断はできませんし、何かあっても責任を取ってくれません。
動物病院にて国家資格を持つ獣医師の、医学的根拠に基づく診断を受けましょう。
誤食は再発する…!?
一度誤食した子は誤食を繰り返すことがあります。
だんだん飼い主さんも慣れてきて、誤食が日常の一コマになり、まるでその子の個性のひとつのように思うようになります。
ですが、忘れないでください。
誤食したこと自体はもちろん、検査も処置も動物には必ず負担がかかっています。
それは、どれだけ私達動物病院側が気をつけていても仕方のないことです。
誤食は未然に防ぐ! これが一番大切です。
食べてしまったその後は私達の出番ですが、未然に防ぐのは飼い主さんにしかできません。
・自由に動ける範囲を制限する
・部屋や届きそうな場所に誤食しそうなものを置かない
・もし口に加えてしまったら、おやつなどで気を引いて交換する
など、その子にあった工夫の仕方はたくさんあります。

実は、私のお家にいる猫の「すくちゃん」も誤食癖があります。
勝手にクローゼットに侵入して私の下着の肩紐を食べていたり、キッチンに侵入してビニール袋を食べていたり…
かなりの曲者です。
常に試行錯誤を繰り返しています💦
私も一飼い主として、誤食を防ぐ方法を一緒に考えますので、お気軽にご相談ください😊